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高田屋外交 ゴロヴニン事件解決後200周年記念版

A4版128 頁 2014.8/ 定価1,800円(本体1,667円+税)別途送料164円

鎖国日本を震撼させた文化露寇からゴロヴニン事件の解決に至るまで、 高田屋外交の舞台裏を史料を駆使して甦らせる。

他を識(そし)ら ず自(みずから)を誉(ほめ)ず、世界同様に治り候国は上国と心 得候、好(このみ)て軍(いくさ)を催し人を害する国は、国政悪 敷(あしき)故と心得候、

嘉兵衛本人が事件を口述した『高田屋嘉兵衛遭厄自記』を国内初の翻刻。

ごあいさつ

 一八世紀以降、日本がいやおうなく国際社会の荒波に投げ入れられていく過程の中で、隣国ロシアとの度重なる交流史がいかに重要な意味を持ったかは、繰り返すまでもないでしょう。それは必ずしも平穏な相互理解への階段ではなく、とてつもない痛みを伴うこともありました。とりわけ近世の日本人にとって、未曾有の外国の攻撃を受けた文化露寇(フヴォストフ事件)は衝撃的な事件でした。それに続く「ゴロヴニン事件」は、いわばこうした両国の相互不信の極みの中で生じた出来事でもありました。

 対外関係は、自国の法や慣習といった規範のみで解決できるものではありません。嘉兵衛の交渉相手となったリコルドの言葉に従えば、「生まれ故郷が地球の半周ほども隔てられている二つの国民」の間にあって、「全く異なる価値観や概念を持つ両国の頑迷な利害」を「相互利益への同意」にまで止揚し、両国の紛争連鎖を見事に断ち切った「高田屋外交」とは、どのようなものであったのでしょうか。その意義は、いまこそ問い直されるべきだと思います。


目次

ごあいさつ
宣教師ニコライと高田屋嘉兵衛
他者としてのロシア
はんべんごろうの警告
  1776年のイギリスとロシアによる日本侵略計画 ロシア脅威論と仮想敵国化
アダム・ラクスマン来航 
ニコライ・レザノフ来
  若宮丸漂民〜『環海異聞』の世界
文化露寇―フヴォストフ事件
  レザノフの死から文化露寇まで
  東北諸藩の出兵
  異国船取締法の変遷
  幕府内の評議
  蘭学者たちの意見
  フヴォストフ事件とオランダ
  フヴォストフとダヴィドフ、二人の死
ディアナ号の航海
ゴロヴニン事件 
  ディアナ号のエトロフ来航 
  ゴロヴニン捕縛

  奔走するリコルド
  ゴロヴニンと日本人
  クナシリ島へ二度目の来航
  嘉兵衛捕わる
高田屋外交
  ペトロパブロフスクカムチャツキー 
  深夜の交渉
  クナシリ島での日露交渉
  タイショー、ウラー!
  文化間の調整
  嘉兵衛と忠臣蔵

日本幽囚記
カムチャツカのカヘイ峰訪問記
リコルドの生誕地、トローペツ
リコルド提督七代目子孫マーシャの来日
  ダイジナコト〜裂かれたハンカチとマーシャの来日〜
高田屋嘉兵衛遭厄自記
(嘉兵衛本人が事件を口述した調書の初の翻刻で、リコルドの
『対日折衝記』と共に司馬遼太郎『菜の花の沖』六の基調をなす史料)

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