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神舞い人形――淡路人形伝統の生と死、そして再生
ジェーンマリー・ロー著 齋藤智之訳
ISBN 978-4-9904027-4-7 / A5版344 頁/ 定価2365円(本体2,190円+税)
2012年3月

謹啓 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたび、コーネル大学准教授のジェーンマリー・ロー氏の著作の抄訳を自費出版いたしました。本書は淡路島の人形神事の伝統をめぐる論考です。著者の長年にわたる現地調査を元に、記紀神話・柳田・折口民俗学からフーコー、ダグラス、ポストモダンまで、縦横無尽に洋の東西の〈知〉の領域を横断する、いままでにないユニークな視点をそなえた書です。関係各位に広くご紹介いただけましたら幸甚に存じます。

高田屋顕彰館・歴史文化史料館
 学芸専門員 齋藤 智之


フーコー、クレイグ、ダグラス、オブラスツォフ、キーン、ロング、ロザルド、ラカン、リオタール、サイード、ジェイムソン、あるいは記紀神話から平田篤胤、柳田国男、折口信夫、永田衝吉、角田一郎、波平恵美子や和歌森太郎といった日本人学者にいたるまで、縦横無尽に〈知〉の領域を横断する著者の冒険は、なにより神舞い人形を〈現在〉の中で甦らせようとする「詔り直し」の試みであるのだろう。(――「訳者あとがき」より――)

書評@

     

目次

日本語版への序文 
断章 序にかえて 

場所と時間――写真を手にした男性 / つきせぬ疑問、源流の統合  / 日本の宗教史論におけるメタ物語 

 一章 ヒトガタ――日本の儀礼上で使われる彫像の多様性  

  劇人形とは何か? / 劇人形の魅力――五つの視点 / 劇人形と表現の自由 /  全能神としての人間 / 創造における死を凌駕する生の勝利 / 人形劇と普遍化の力 / 未知なる力の依代としての人形 / ヒトガタ――人形の意味 / 埴輪――身代わりと守護 / 儀礼上の身代わりとケガレを祓う――奈良時代のヒトガタ /  天児と這子 / 彫像としてのコケシ / 水子地蔵――流産した胎児の像 /  石の菩薩、紙の菩薩――とげぬき地蔵の癒しの儀式 /  模倣の魔術――佐渡島の「性」人形 / 境域の体、媒介の体――淡路の伝統における人形 / 部分の集合――劇人形の身体 / 劇人形――人間界とは住む世界を異にする存在 

二章 門付――門付のアウトサイダー

  他者――宗教、文化、そして同一性の研究における一般的問題 / 「あちら」の世界から「こちら」の世界へ――危険な異人とその力の支配 / 清浄と不浄――神道の二分法 / 不浄の擬人化と差異の体系化 / ケガレの局在化――中世日本の河原と散所 /  河原――川の水位が低い時 / サンジョ村――辺境に置く / サンジョ――歴史と意味 / まれびと――日本人の宇宙観における他者 / 門付――門前の儀式 /  力の中心と意味――漂泊芸能の重要性 / 千秋万歳 / 松囃子 / 門付――来訪と出発の一般的な型 /  門付の消滅 

三章 異相の神、司式者、そして劇人形――西宮神社の傀儡師と戎舁

  歴史の断片 / 戦場をかける呪師――七二〇年の宇佐神社と隼人の反乱 /  平安時代の人形戯――文献と意味 / 大江正房と他者性の意味 / 日本人学者の傀儡子記の使用 / 三番目の道――大江正房と他者性の意味 / 傀儡子記と中世の遊女の身振り / 傀儡子――以後の文献 / 聖職者でない神事職能者としての提携――傀儡師と西宮神社 / エビス信仰――進化の可能性  / 縁起とエビス信仰 / 漂着神の主題と西宮神社 / エビス進化のための言語学・正字法上の証明 / 大人の蛭児としてのエビス / 事代主神としてのエビス / 疫病神の吸収と操作 / 百太夫、遊女、子供、劇人形、そして疱瘡 / 西宮傀儡師の段階的分裂   

四章 死んだ司式者、荒ぶる神、漁師、そして劇人形――淡路人形の誕生物語

  淡路人形戯揺籃の地――三原平野の三條村 / 海人族仮説 / 宇佐仮説 / 淡路人形発祥の地とその拠点――三條八幡神社 / オノゴロ島の三條道薫坊――淡路人形戯の古記録 / 聖職者と民間信仰の権威 / ある過去の記録――争う神職者たち、訴訟、そして新たな伝統 / 死んだ司式者と荒ぶる神――寛永十五年(一六三八)の道薫坊伝記 / 蜂須賀家による淡路人形芝居の支配 

五章 路上の人形、田の人形――式三番叟、えびす舞、そして淡路の人形祭り

  門付人形――路上の人形 / 職としての人形戯――命名法、地位、そして縄張り /  芸の縄張りと得意先 / 戦前の芸能の思い出 / あしたの日の色を潤す――三番叟儀式 / 三番叟儀式の機会 / 雨乞い三番叟(翁渡り) / 式三番叟 / 儀礼の象徴体系 / 劇人形の衣装 / 詞章 / 三番叟 / つきせぬ御代こそ目出度けれ――エビス廻し / 芸能の背景――門付エビス舞 / 芸能の背景――神社や波止場のエビス舞 / エビス舞 / 野掛け舞台――田の人形、神社の人形 / 芝居は朝から弁当は宵から / 最後の人形劇――壊れた劇人形と聖なる部位 / 人形神事と象徴的行為の力   

六章 劇人形と渦潮――イコン、ノスタルジア、そして淡路人形復興の中のアイデンティ

  自転車に乗った男性 / 復興過程における諸段階 / 経験としてのノスタルジア、イデオロギーとしてのノスタルジア / 医療化から政治化 / 劇人形と渦潮――消えゆくもののイコン  / 門付の復興――儀礼から舞台へ / 汝の今日は過去なり――人形神事を伝統の背景で再現する / 儀礼から舞台へ――保存運動における背景の問題 / かすかな光 

訳者あとがき 
図版・写真出典一覧

 

本書は、淡路島内の以下の施設でもお取扱いいただいております。
淡路人形浄瑠璃館(南あわじ市福良) / 淡路人形浄瑠璃資料館 (南あわじ市市)

淡路島外では、以下の施設でお取扱いをはじめていただきました。[2014年3月現在]
国立民族学博物館ミュージアムショップ(大阪府吹田市)
菓匠文楽(国立文楽劇場内)(大阪市中央区日本橋)

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